阪神淡路大震災から26年。2011年の東日本大震災を経て、今も地震はいたるところで起きています。
1996年(平成8年)から2019年(令和元年)まで、震度6弱以上、建物が倒壊する可能性のある地震は何回起きているかご存知でしょうか。
答えは 54回 です。
1か月に1回のペースで起きています。
過去の地震では、古い木造住宅から新しい木造住宅まで多くの住宅が倒壊しました。
そう、新しい木造住宅でも、倒壊していることがあるのです。
建築基準法の第一条(目的)では、以下のように定められています。
国民の生命、健康及び財産の保護
を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
この第一条の最低の基準を定めている、ということがポイントです。
最低基準を設けていて、これがどのように家の耐震性能に影響しているのか、見ていきましょう。
まず、建物を建築するにあたり、「構造安全性確認方法」というものがあります。
図の上が構造安全性レベルが高く、下は低くなっています。
建築基準法に規定されている仕様規定とは、木造住宅が必ず行わなければいけない構造安全性の確認方法です。
耐震等級設計では、建築基準法で求めているものと同等の耐震性能を「耐震等級1」、その耐震性能の1.25倍の耐震性能を「耐震等級2」、さらに1.5倍の耐震性能を「耐震等級3」と定めています。(2倍ではないです)
大きな地震で倒壊している多くは耐震等級3ではない建物です。
では次に、耐震等級1と3の違いを見ていきましょう。
【建築基準法の耐震性能】
最低の基準を満たしている耐震等級1の建物は大地震では、
家族の命を守ります。
けれども、もう住める状態ではなくなります。
すなわち、建築基準法通りの耐震等級では大地震のあとに住み続けることができない!ということです。
【建築基準法の耐震性能の1.5倍】
図の一番上の許容応力度計算でより厳しい方法で確認した耐震等級3の建物は、
命も財産も守り、住み続けらます。
実際に、震度7が2回起きた熊本地震における益城町では耐震等級3の建物が16棟ありましたが、16棟すべての建物で地震後も住み続けられています。
機能性と基本性能は命と財産を守ることを考えて、優先順位をしっかりつけて考える必要があります。
揺るがない基本性能の上に、機能性やデザイン性が存在するのです。
省エネと構造には密接な関係があります。
どんなに高気密な住まいをつくっても、構造が弱く高耐震でないと繰り返しの地震の度に隙間が増え、気密性能が落ちてしまうからです。
気密性能が高い住まいは暖気・冷気・日射取得を逃がさず、当社がすすめる全館暖冷房の省エネ住宅にもつながります。
省エネ住宅は、脱炭素社会に向けて環境にやさしく、住まう人の体や経済にもやさしい住宅です。
高断熱・高気密・高耐震の3つの「高」が相まって、良い住まいになるのです。
家づくりは命と住まいを守る耐震等級3を基本にしてください。
当社では全棟許容応力度計算を実施し、耐震等級3を標準としています。
そして、丈夫な耐震等級3の高断熱高気密な住まいは、お財布にも身体にも、地球にもやさしい住まいです。
【C値:相当隙間面積】
建物全体にある隙間面積(c㎡)を
測定用床面積(㎡)で割った数値。
数値が小さいほど、優れた気密性能がある建物です。
(写真は気密測定時に撮影)
※神木工務店のC値は0.1
家づくりは、耐震等級3。
まずは大きな地震のあとでも「住み続けることができる家」を建ててください。